第44章 敗北
シカ「バーカ、謝れって言ってるわけじゃねぇよ」
キリ「っ!」
こつんっとキリの額を叩いてやれば、また小さく謝罪を告げたキリに笑いながら、シカマルはよっとキリの体を起こした。
シカ「次はぜってー勝ってこいよな」
キリ「ええ……!絶対に」
そう力強く頷いたキリの目には、もう悔いや悲しみを映してはいなかった。
…………………………
ーーその後の二人ーー
シカマルは、ドクドクと速まる鼓動を感じながら、精一杯の平静を装っていた。
シカ「あー、キリ。今日なんとか流星群っつって、流れ星がよく見えるんだと」
「知ってたか?」と問いかければ、キリは小さく首を振った。
キリ「へぇ……素敵ね。知らなかった」
「流れ星は今まで見た事がない」と言って、過去を思い返している様子のキリ。
シカ(よし、結構いい感じじゃねぇか……?)
中々の好感触。想像以上に良い反応を見せてくれた。
あとは、いかに自然に誘うか。それだけが問題だ。