第44章 敗北
ガイ「リー! 重りを外せ!」
リー「!」
ガイ「そして、今からはただの修業だと思うな。集中しろ! 油断すると一瞬でやられるぞ!」
ネジ「……」
テン「この子、そんなに……っ!?」
ガイの言葉を受けて、ごそごそと足から重りを外したリーが重りから手を離した瞬間。それはひどく壮大な音と共に、地面を破壊した。
キリ「……ずいぶん重そうね」
リー「日々の鍛錬のためです。戦いを中断してしまいすみません! 待ってくれたことに感謝します!」
バッと頭を下げたリーに、キリはこくりと頷いた。
キリ「構わないわ」
リー「ありがとうございます! さぁ、始めましょう!!」
キリ「ええ」
キリ(……っ!!)
再び仕掛けてきたリーの蹴りを受け止めたキリは、宙に浮きそうになった体をなんとか留める。
キリ(っ……、速い……!)
リー「木ノ葉旋風っ!!」
キリ「くっ……」
先ほどまでとは比べ物にならないリーの蹴りが、キリの脇腹を目掛けて飛んでくる。
すんでのところでガードは間に合ったものの、受け流すことの出来なかった衝撃。ビリビリと腕に痛みが走った。
すると、リーは突然キリと距離を置いた。
リー「キリさん、僕は忍術を使えない」
キリ「?」
リー「そして、忍術を使わない体術のみでの戦闘が、僕の戦い方です! キリさんは普段通りに戦って下さい。手加減された状態で勝っても意味がありませんからね!」
ビッと親指を立てたリーに、キリはふるふると首を振った。
キリ「私も体術が主流。忍術を使う事はあるけど、主に援護時や複数の相手がいる場合以外は使わない。だから、気にしないで」