第44章 敗北
ガイ(そうかこの子があの……)
リー「そうですか! 僕もです! 君も今から修業を?」
キリ「ええ」
リー「では、一緒に行きましょう!」
キリ「断るわ」
ガイ「それは名案だなリー! キリ! 俺たちの修業は中々ハードだが、恐れる必要はない! 気持ちさえあれば大丈夫だ!」
「お前の熱い青春を俺に見せてくれ!」と、ナイスガイなポーズを向けられる。
キリ「断るわ」
すると突然、ガイから腕をガッと掴まれる。
そのままずるずると引きずられるようにして、キリはお団子頭と長髪の男のもとまで強制的に連れられていく。
ガイ「お前達と同じ下忍のキリだ! 今から一緒に修業を行うことになった!」
「ひとつ下の後輩だから仲良くしてやってくれ!」と、ビッと親指を立てる緑タイツ大。もとい、マイト•ガイ。
キリ「断るわ」
何度もそう伝えてはいるが、先ほどからまるでキリの声が届かない。
そのため、この中で一番まともそうなお団子頭に視線を送れば、不憫なものを見る目を向けられた。
テン「ごめんね、ちょっと付き合ってやって」
「こうなると止まらないから」と、言われた直後。
掴まれ続けていた左腕に、グンっと力を感じた。
ガイ「さっそく行こうじゃないか! 俺についてこい!」
リー「はい!ガイ先生!!」
キリ「っ…!」
その合図で、とてつもないスピードで走り始めたガイに、何やら色々と諦めがついたキリも自らの足で走り始める。
ガイ「いいぞキリ! その調子だ、ついてこい!!」
キリ(…………)