第43章 失敗
* * * *
ーー後日のお話ーー
キバ「キリ、この間はありがとな」
キリ「?」
キバ「ヒナタのことだよ」
シノ「俺からも礼を言う。なぜなら、あのままではヒナタの考えに気付く事が出来なかったからだ」
そうして、礼を告げる二人に、キリは「あぁ」と言葉をこぼす。
キリ「良い方に、変わるといいわね」
キバ.シノ「!」
ふわりとそう言ったキリに、驚きの表情を見せる二人。
キリ「何?」
キバ「いや……なんつーか、お前やっぱりすげー変わったな」
キリ「そう……ね」
木ノ葉に初めて来た時の頃を思えば、キリ自身もそう思う。
帰り際、隣にいたシノがひとつの問いかけを口にした。
シノ「何か、良い出会いがあったのか」
キリ「どうして?」
シノ「俺も、お前は随分と変わったように見える。人を変えるきっかけになるのは、人である事が多いからな」
「お前は良い方向に変わった。だから、良い出会いがあったのではないかと思ったからだ」と、シノに言われて、キリの頭の中に即座に浮かんだのはシカマルだった。
キリ「……ええ、そうね」
にこりと微笑んだキリに、シノもサングラスの中で少し目を細める。
シノ「お前の笑った顔を初めて見た。よほど良い出会いだったんだな」
その言葉に、キリはこくりと頷いた。