第43章 失敗
ヒナタ「こ、こんなに捕まえることが出来たのは、ほとんどキリちゃんのおかげだから……」
キバ「っ……」
キバは言葉を詰まらせる。ヒナタのフォローが、変な意地をはっている自分の惨めさをより浮き彫りにさせた。
ヒナタ「キリちゃんも……ごめんなさい」
キリ「?」
何に対しての謝罪なのかが分からず、キリは首を傾げて、ヒナタの言葉を待った。
ヒナタ「わたしが弱いから、迷惑ばかりかけて……」
キリ「……あなた、弱かったの?」
「知らなかった」と言うキリに、今度はヒナタが首を傾げる。
ヒナタ「え、と……?」
キリ「私はヒナタが弱いと感じたことはなかった」
ヒナタ「で……も、アカデミーの頃から、演習試合でもいつも勝てなくて……」
キリ「それは、あなたが攻撃をすることをためらっているからでしょう」
アカデミーの頃、確かにヒナタが勝利している姿をあまり見たことがなかった。
しかし、忍術は上手いとは言えなかったが、体術でいえば、やはり彼女も日向家の娘であり、どのくノ一よりも手慣れていた。
しかし、いざ相手に攻撃を。となれば迷いをみせるヒナタはその隙をつかれ、結果、あの勝率だ。
あんなに攻撃の前に〈間〉を作ってしまっては、倒せるものも倒せなくて当然だと言えば、ヒナタは戸惑いを見せる。
キリ「白眼……敵対すれば相当手強いと思うけど」
実際、キリは昔アカデミーで行われていたサバイバル演習時、ヒナタ相手に苦戦した記憶がある。
ヒナタの同班員であるキバとシノは、まだ対策出来る。
そして実力No1だと謳われていたサスケもかわすことが出来たが、唯一、白眼をもつヒナタだけには気付かれた。
ヒナタ「でも、今日も失敗ばかりで……」