第43章 失敗
キバ「っ!! 俺だってお前の援護なんかなくて……も、なぁ……!」
シノ「確実に怪我をしていたな」
その言葉に、キバは反論出来ず、ぐっと押し黙る。
キバ自身も、思うことがあったのだ。
キリとの口論で熱くなっていたこと。そして、ヒナタがキリの言う通り、ぽんぽんと敵を捕らえていくことに焦りを感じて、少々突っ込み過ぎた自覚があった。
そんな時に、ファインプレーともいえるキリの絶妙なフォロー。
あれのどこに、文句のつけようがあるというのか。
そんな下忍チームのやり取りを見守っていた上忍たちは、無事に残党がいないかの最終確認を終える。
シカク「上出来だな」
紅「はい」
今回の任務では、ほとんどシカクと紅の出番はなかった。
いつでも入れる準備はしていたが、それをする前に任務は終了した。
紅「しかし数が多いといえど、相手は一般人。自分たちだけで手が回らないようでは困ります」
けれど、たった一時間でこの人数を相手にしてしまったことには驚いたと、紅は驚嘆の言葉をこぼす。
紅「優秀だとは聞いていましたが、想像よりも……。とても下忍のレベルじゃありませんね」
キリを褒められて、上機嫌な様子でシカクはにやりと口角を上げた。
シカク「次の中忍試験、キリを参加させるつもりだ。そっちも血の気が多いやつがいるみたいだが、エントリーするつもりなら、うちのキリは手強いぜ?」
紅「確かに。敵に回せば、とても厄介な相手になりそうですね」
そう言って、紅はキリへと視線を向ける。
そこでは、いまだに何か揉めている様子の下忍たち。