第43章 失敗
第43話 失敗
シカク「キリ、今日の任務では俺たちはサポート役だ。いいな?」
キリ「はい」
本日の任務は、紅班と合同のCランク任務。
ある町で、強盗団が家へ押し入ったとのこと。状況によっては住民に危害を加えることもあり、金品も奪う、悪質な団体が勢力を伸ばし、住民たちの生活を脅かしているそうだ。
そんな強盗団の捕縛することが、今回の任務の目的である。
相手は忍ではない。けれど人数が不確定なこと、また紅班が要戦闘の任務は初めてなことから、シカク班がサポート役として同行することになった。
シカク「今回、俺たちは基本的に後方からの援護にまわる。それでいいか?」
紅「はい、今日はよろしくお願いします」
今回の班隊形の確認を行っている担当上忍たちを横目に、キバは不服そうに顔をしかめている。
キバ「わりーけど、援護なんて必要ねぇ。この任務、俺たちだけで終わらせっからよ」
「なぁ」と、班員に同意を求めるキバに、シノもうなずき返す。
シノ「ああ、俺もそのつもりだ」
キバ「ってことだ。お前も手ぇ出してくんじゃねぇぞ」
そう言って、キバはキリに鋭い視線を向ける。
キリ「……あなたの指示には従わないわ」
キバ「あ? いま何つった?」
今にもくってかかっていきそうなキバを、紅が制止する。
紅「キバ、やめなさい」
キバ「ちっ、なんでこんな奴と一緒に任務なんて行かなきゃなんねーんだよ」
ヒナタ「キ、キバくんそんな言い方は……っ」
「良くないよ」と、眉を下げるヒナタと、シカク班に非礼を詫びる紅を見て、キバはよりいっそう顔をしかめた。