第42章 誤解の連鎖
…………………………
翌日。
キリとシカマルは修練場へ訪れていた。
先に到着したキリとシカマルが修練場で待っていれば、そこに小走りでやってきたヒナタが合流を遂げる。
キリ「ヒナタ」
ヒナタ「ごめんなさい、待たせちゃって……」
キリ「いえ、全然。むしろ時間より少し早いわ」
「大丈夫だから気にしなくていい」と、声をかければ、その横でシカマルが顔を片手で覆って下を向いているのが見えて、キリは怪訝な視線を向ける。
ヒナタ「ご、ごめんなさい。わたし、遅くて」
そんなシカマルの態度に焦りを見せたヒナタ。
対してシカマルは、余った方の手をヒラヒラと振って、それを否定する。
シカ「あー、いや……そのことは全然関係ねぇから気にすんな」
「俺が悪い」と、顔を覆ったままのシカマルに、キリとヒナタは顔を見合わせて首を傾げていた。
シカ(相手が男どころか……ヒナタだったのかよ)
…………………………
ヒナタに合わせて、体術を中心とした修業が行われ、息を切らしているシカマルとヒナタ。
ひとり息切れ一つないキリは、すっと訓練用のクナイをしまいこむ。
キリ「私はそろそろ任務に行かないといけないけど、ヒナタは?」
ヒナタ「あ、わたしはもう少し……」
キリ「そう」
シカ「あー、俺ももうちょい残るわ」
キリ「……!」
「まだ任務まで時間もあるしな」と、言葉を落としたシカマル。
キリはちらりと、ヒナタへ視線を向ける。
昨晩、シカマルも午後から任務があると言っていたこともあり、てっきりキリと戻るのだと思っていた。