第41章 弱み
シカ「俺の土遁の術、なんか思うことあるか?」
「タイミングとか精度とか」と、問いかけられて、キリはこの戦いの場面を思い返していく。
キリ「タイミングは最良。……術の速度も速くなったけど、無駄にチャクラを練り過ぎてるところも目立つ」
シカ「あー、やっぱそうだよな」
キリ「フェイクにそこまで使わなくても、もっと見せかけだけでも充分だと」
シカ「でもそれだとよ。もし向こうが引っかかった場合、すぐに壊れちまう」
「あーいや確かに、それに大量のチャクラ使って、後々困るぐらいならそっちの方が利口か……」とシカマルは頭を悩ませる。
キリ「……なら、敵がかかってから、そこだけ術の強度をあげる。とか」
キリのその言葉に、シカマルはバッと上体を起こした。
シカ「いいな、それ。次からそれも練習するか」
キリ「ええ」
シカ「あ、それならよ。敵が来た時に術を……」
そこまで言って、ハッと顔を見合わせた二人は、ちらりとシカク(敵)を一瞥する。
当面、倒すべき目標であり、敵であるシカクに作戦の内容が露顕してしまうのはよろしくない。
シカ.キリ.シカク「………」
シカクに聞こえぬようにと、シカマルはキリに顔を寄せて、ぼそぼそと耳打ちをする。
それに対して、キリもこくりこくりと頷き返した。
キリ「それは……おもしろいけど、出来る?」
シカ「まぁ試してみる価値はあるだろ」
キリ「そうね」
「そこはそれで対策するとして」と言って、キリは愛刀を鞘に戻しながら尋ねる。
キリ「あとは……私があの時、刀を投げたのがいけなかった?」
シカ「いや、あれがなきゃ俺があの時点で終わってる」