第41章 弱み
ぜぇぜぇと片膝をついているシカマルは、顔をしかめながら、キリに刀を手渡すと即座に印を組み始める。
シカ「くそっ、影真似の術!」
キリ「はぁぁっ!!」
シカマルに影を捕らえられ、キリに刀を振り落とされた影分身が、ボンッと煙を残して姿を消した。
シカ「あーーー、くそっ」
あと少しだったのにと、シカマルはそのまま大の字になって空を仰いだ。
キリ「はっ、はぁ……っ」
そして、呼吸を乱しているキリもまた、その場に座り込む。
シカ「悪い、結局お前にこっち来させちまった」
キリ「いえ……私も攻めきれなかった」
あの攻撃が受けられるのは誤算だったと、キリは眉を寄せる。
シカ「俺も、チャクラ不足で拘束甘くなっちまったしな」
シカマルの作戦上では、拘束はシカクの膝上、可能なら腰もとまでいくはずだった土遁の術。それが先の戦いでチャクラを使い過ぎて、足首を少し超える程度で止まってしまった。
それでも、キリの頑張りで優勢となり、シカク相手に押していたのが目に見えていたのだが。
キリの援護にと術を放ったことで、出来た隙を影分身に叩かれ、ただでさえギリギリだった中、それ以上に耐える事が出来なかった。
シカ「まあ、全部が上手くいくとは思ってねーけどよ」
100%筋書き通りなんてことは、あり得ない。
そう思ってはいるが、惜しいと思うところがある分、悔しさが残る。