第41章 弱み
シカマルの援護で出来た一瞬の隙で、体勢を立て直したキリは、シカクの右足へ蹴りを放つ。
キリ(もらった……!)
シカク「!!」
しかし、完全に入ったと思ったそれは、失敗に終わる。
キリ「!!」
シカク「足一本拘束しただけで、俺に勝てると思うなよ?」
そう言ったシカクは、にっと笑みを浮かべた。
シカクの右足の骨を粉砕するつもりで放ったキリ渾身の蹴り。
それを右腕一本で受けられたキリは、一瞬顔を歪ませたが、すぐにシカクに猛攻を開始する。
そして、それをひとつひとつ捌いていくシカクの表情もまた、険しい面持ちとなっていく。
シカク(とは言ったものの……キリ相手にこのハンデはきついな)
シカマルの術による右足拘束に加え、先ほどのキリの蹴りで右手が使いものにならなくなった。
容赦のないキリの連撃に、次第にシカクが押され始める。
キリ(いけるっ……!!)
シカク(おいおい、まじかよ)
シカクが「これはまずい」と感じてすぐ、ガッと大きな音がする。
聞こえて来たのは、後方からだった。
シカクの影分身が、シカマルを仕留める最後の一撃として、放った掌打を受け止めたのはキリだった。
シカク(瞬身……いつの間に……!)