第41章 弱み
イチカが訪問していた際にも見た、キリとシカマルのツーマンセル。
あの時は、互いに要領を掴めていないために、過剰なフォローをしあっているのだと思っていた。
しかし、いくら修業を重ねても、シカマルの動きは改善されてきたが、キリの過剰なフォローがまるで変わらない。
キリ「すみません、もう一度……」
シカク「今のままじゃ何回やったって一緒だろうが。自分の何が駄目なのか、よく考えろ」
そう言い捨てて踵を返したシカクと、その場に残されたキリとシカマル。
少々厳しいかもしれないが、今は強引にでも変えさせなくてはいけない。
シカク(忍として生きるなら、このままじゃキリはやっていけねえ)
…………………………
翌日、翌々日。
あれから毎日、同様の修業を行っているが、いまだ改善されることのないキリの動き。
それどころか、再三シカクから注意を受けることで〈シカマルのことを気にし過ぎてはいけない〉ということに気をとられ過ぎている。
自分が今、何をすべきなのか。何が正解なのかを完全に見失ったキリの動きは、日に日に悪くなっていく一方だった。
キリ「っ……」
ずいぶんと息苦しそうなキリの戦い方に、シカクが中断の合図を送れば、キリは更に表情を曇らせる。
キリ「……ごめんなさい」
シカ「あー、いや……」
そんなキリに、シカマルも困った様子で返す言葉を詰まらせた。
シカク「キリ」
名前を呼べば、びくりと体を竦ませたキリに、シカクは眉根を寄せた。
シカク(……少し追い込み過ぎたか)