第41章 弱み
第41話 弱み
修練場で、シカクの怒号が飛んだ。
シカク「キリ! お前何回言やわかるんだ」
キリ「!」
キリとシカマルのツーマンセルVSシカクという組み合わせで行われていた修業。
そこで、珍しくシカクがキリを叱責する声が響く。
シカク「わかってんのか? お前が今組んでるのはツーマンセル、仲間との共同戦だ」
シカクがキリと第11班として活動を開始してから、半年以上が経った今。
ここに来て、はじめてキリに問題点が上がった。
キリは前衛後衛、どちらをも器用にこなしていたのだが、その中で見つかったキリの弱点。
敵対する者がキリよりも格下、又は同等である場合は、攻守どちらをとってもなんの問題はない。
しかし、敵がキリよりも格上であること。
さらに、キリが前に出て、後衛のペアがキリ自身よりも弱い仲間であること。
その2つの条件が揃った時、キリは致命的な穴を持っていた。
シカク「子守してるわけじゃねぇんだぞ」
キリよりも戦力があるシカクと組んでいた時にはわからなかった、唯一の欠点。
それがシカマルとのツーマンセルで明らかになったのだ。
戦闘の軸にならなければならないキリが、本来サポート役を担っているはずのシカマルばかりを気にして、キリ自身の能力を見事に潰してしまっていた。
これでは、キリ一人で戦闘に挑んだ方が、よほど勝率が上がるだろう。