第40章 はじめての
それから、シカマルは両肩にかけていた鞄に追加で、目の前の段ボールを抱え込む。
キリ「貸して」
そう言って、段ボールに伸ばした手はシカマルによってかわされる。
シカ「お前はそれな」
言われた視線を辿れば、今キリの右手にあるおにぎりの入った手さげ袋が目に入る。
キリ「……これだけ?」
シカ「おう」
キリ「……せめて、かけてある鞄をーー」
シカ「じゃあ親父、母ちゃん行ってくるわ」
そう言って、スタスタと先を行くシカマル。キリはじっと自らが持っている手さげを見つめた。
キリ「……いってきます……?」
はたして、これは自分がついていく意味はあるのかと。
納得のいかぬ顔のまま、シカマルの後についていくキリに、思わずシカクとヨシノの間に笑いがこぼれる。
…………………………
シカ「重てぇ」
一体どれだけ詰め込んだのだと言いたくなる段ボールの重量。上腕二頭筋がそろそろ取れそうになってきた。
キリ「私が持ちましょうか」
シカ「いい。今更降ろすのもめんどくせー」
「それに、こういう力仕事は男がやるもんなんだよ」と、気怠そうに言ったシカマルを見つめるキリ。
キリ「………腕、震えてるけど」
シカ「くっ、うるせー」