第10章 班決め
私のことなど放っておけばいいものを。
不得手な事をして、身を縮こませる彼女を見ていた時、イルカがごほんっと咳払いをした。
イルカ「あー静かに。みんなの力が均等になるように、班はすでにこっちで決めてあるんだ」
その言葉に「えー」とブーイングの嵐が起こる中で、ヒナタは「そうだったんだ」と小さく呟いて顔を真っ赤にしていた。
みんなの注目がイルカに集まる中で、ぱちっとヒナタと視線が混じる。
キリ「……………ありがとう」
本当に、消え入りそうなほど小さくそう呟く。聞こえたか、聞こえていなかったかは分からないが、ヒナタは少し微笑んだように見えた。
そして、イルカは生徒たちを次々と各班に振り分けていく。
第7班 うずまきナルト、うちはサスケ、春野サクラ
第8班 犬塚キバ、油女シノ、日向ヒナタ
第10班 奈良シカマル、秋道チョウジ、山中いの
イルカ「第11班 キリ」
ナルト「えっ、キリってば一人なのか?」
キリの後に、誰も名前が続かないことに、それぞれが疑問を抱いていた。
イルカ「キリは木ノ葉に来てまだ間もない。それに今年の合格者で、スリーマンセルを組むには人数も足りていないしな。特別処置として、今回の形になった」
それに対して、「やっぱり一人じゃない」「誰もあんな子と組めるわけないもの」と生徒たちは口々に囁いた。
イルカ「ほら、静かに!午後からはそれぞれの上忍の先生を紹介するから、それまで解散!」
その号令で、各自行動を始める。
班が分かれて、少し残念そうにしているヒナタにちらりと目を向けてから、教室の外へ出た。
キリは小さく息を吐く。
正直、一人であった事に安心した。
誰かと仲間だなんて、私にはとても言えない。
………………………
ーー第10班ーー
いの「なんていうか、変わりばえのないメンツねー。あのデコりんめ、サスケくんと一緒だなんてずるいわよ!」
チョウ「僕は二人と一緒で嬉しいけどね」
シカ(……あいつとは離れたか)
チョウ「シカマル?どうかした?」
シカ「いや、なんでもねー」