第39章 交わされた約束
キリ「天真爛漫。でも強がりで優しくて……いつもみんなの中心にいて、太陽みたいな人。私はイチカにはいつも敵わない」
「私の人生の半分以上はイチカで出来てる」と謳うキリの表情は、やはり優しいままで、聞いているこっちがつい照れてしまう。
ヒナタ(イチカさん……)
ここまで言われて、更にはあのキリが敵わないだなんて、一体どれほど凄い人物なのだろうかと、ヒナタは思いを馳せる。
キリ「もうしばらくは会う事が出来ないと思うけど、今度機会があれば、あなたにも会って欲しい」
ヒナタ「! わたしなんかが、いいの?」
キリ「ええ、是非」
友人の大切な人を紹介してくれるなんて、そんな事を言われたのは生まれてこのかた初めてで、ヒナタの胸にきゅっと優しい痛みがはしる。
ヒナタ「しばらく……会えないの?」
そう聞けば、キリは少しだけ眉を下げる。
キリ「木ノ葉と樹の里はそう近くはないし……私は、樹の里で良く思われてもいないだろうから」
そう簡単に許可が出ないはずだと話すキリの表情が、心なしか悲しそうに見えて、ヒナタはそっとキリの手をとった。
ヒナタ「わ、わたし……キリちゃんのこと応援するからね……!」
「わたしなんかに何も出来る事はないかもしれないけど」と、手を握るヒナタの視線が珍しく力強いもので、キリは少し首を傾げながらも頷く。
キリ「ありがとう…………?」