第39章 交わされた約束
…………………………
食事も終わり、支度を終えたキリは、居間にいるシカクに声をかける。
キリ「出掛けてきます」
シカク「おお、修業か?」
キリ「いえ。会いたい人が……います」
シカク.シカ「!」
それはキリの心の中でずっと引っかかっていた人物。
キリ(一度会って、ちゃんと話がしたい……)
今なら以前は分からなかった真意も、懐疑心無しで聞くことが出来る気がした
。
シカク「そうか、気をつけてな」
キリ「はい。ありがとうございます」
ぺこりと一礼をされて、閉じられた扉。
シカクは硬直している息子を横目でチラリと見る。
シカク「せっかく、キリが降りて来たら一緒に修業に行こうと居間で待ってたのになぁ? シカマル」
シカ「!」
休みだというのに、忍具の用意も万全でいつでも出れる準備をしていた息子を少々不憫に思う。
シカク「で、シカマル。どうすんだ?」
シカ「……何がだよ」
シカク「キリの会いたい人ってのは、誰だろうなぁ」
シカ「!!」
シカクと同じことを思っていたのだろうシカマルは、言葉を詰まらせる。
シカク「知らねぇ男にかっさらわれても知らねーからな」
シカ「なっ、キリは相手が男なんて言ってなかっただろーが」
シカク「まぁな。でも、男だったらどうすんだ?」
シカ「どうするってそんなの……」
シカ(……どうすりゃいいんだ?)
再び停止した息子を見ながら、シカクはにやりと口角をあげる。
シカク「どんな男に会いに行ったんだろうな」
シカ「だからっ男だって決まってねぇだろーが!!」