第39章 交わされた約束
シカク.シカ.ヨシノ「!!」
あえて触れずにいてくれた三人は、少し驚いたようなそぶりを見せてから、すぐに受け入れてくれた。
ヨシノ「そんなことは全然いいんだよ」
シカク「そうだ。イチカちゃん良い子だったな」
「さすがキリの親友だけある。今度来た時はうちに泊まればいい」と、シカクに笑顔を向けられて。
親友が褒められて嬉しいような照れるような、そんなむず痒い気持ちがキリに広がる。
キリ「気持ちが……」
シカク「ん?」
「どうした?」と穏やかな表情のまま、決して急かさずに、シカク達はキリの次の言葉を待った。
キリ「気持ちが凄く……軽くなりました」
「自分でも驚くぐらいに」と、言葉を零せば、目を細めて笑ってくれた。
シカク「そう、か。キリ、そうか……っ!」
たまらないといった様子で、わしゃわしゃとシカクに頭をなでられて、その後すぐにヨシノの抱擁を受ける。
ヨシノ「良かった……本当に…良かったね」
まるで、自分のことのように喜んでくれる彼らに、キリは心の中で感謝の言葉を何度も何度も紡いでいた。