第10章 班決め
キリが樹の里から木ノ葉隠れの里へと訪れ、しばらくが経った。
そして今日、期間にして3ヶ月強通ったアカデミーを無事に卒業した。
シカマルに謝罪され、話しをしたのは数日前。
おそらくキリの人生、最初で最後の授業をサボったあの日。二人で教室に戻るとイルカに怒られるかと思いきや、全くそんなことはなくて。
イルカは私達二人を見て困ったように、でも何故か嬉しそうに笑っていた。
日頃から再三、イルカはキリに他の生徒と話してみないかと言っていた。ようやくクラスメイトと打ち解けたと思って、安心したのかもしれない。
しかし、その後。
シカマルと仲良くなったかと言えば、全くもってそんなことはない。
次の日の朝、「はよ」と挨拶をしてきたシカマルの横を無言で通り過ぎれば、彼は眉間に皺を寄せていた。
しかし、話はもう済んでいる。
ならば、これ以上に関わることもないだろう。
その次の日も挨拶をされたが、同じように対応すれば、次からシカマルが挨拶をしてくる事もなくなった。
イルカには申し訳ないが、私たちの関係はそれで終わりだ。
アカデミーの卒業試験に合格し、木ノ葉のマークが刻まれた額当てをもらった。キリはくるくるとそれで手遊びをする。
キリ(木ノ葉の忍…)
他里から来た私がこれをしてもいいのだろうか。
それも、決して歓迎されてここへ来ているわけではない。自分が木ノ葉の里で忍をすることを不愉快に思っている人は少なくないのだ。
キリ(これをつける資格を私は……)
きっと持っていない。
悩んだ結果、キリは額当てを腰ベルトへと巻き付けた。
キリ(忍として、活動するなら必ずどこかに身に付けないといけない。だから…ごめんなさい)