第37章 長所と短所
シカマルたちは実に面白いペアだった事を、シカクは思い返した。
シカク(!!)
キリの攻撃を避けた瞬間、シカマルの影真似がすぐそばまで伸びているのが見えた。
シカク(っと、今のは惜しかったな)
キリの勢いが乗って、容易に相手をさせてくれなくなって来た時、シカクはキリからシカマルへと攻撃の対象を移した。
その瞬間、キリの意識も、シカクからシカマルに移った事がわかった。
そこからこのペアの形は崩れていく。
シカマルが気掛かりで、完全に勢いを失ったキリ。
そして、シカマルはシカマルで前にいるキリのフォローが過保護過ぎるところがあった。
キリなら簡単にさばくことの出来る攻撃やトラップまで、全て手を出してしまう。
シカク(ま、その辺りはまだまだこれからだな)
互いにいい手を出そうとしているのに、その合図に気付く事が出来ず、不発で終わることも多々あった。
シカク自身、どれほどもどかしかった事か。
シカク(おいおいシカマル、今のは気付いてやれよ)
シカク(キリ、そのタイミングじゃシカマルは動けねぇ)
シカク(今だろ、ほら!! あーくそっ遅ぇ!)
シカク(シカマルてめぇこんなトラップまでお前が拾ってどうすんだ、お前が全部やらなくてもいくつかキリに任せりゃいいんだよ)
シカク(ほら見ろ端から拾ってっから動きが悪くなって、キリがお前のフォローに入ってるじゃねぇか)
シカク(よし、今のは合った! 来い!! ってなんでそこで追撃して来ねぇんだキリ! せっかくシカマルが耐えてんのによぉっ!! あああくそっ!)
そんなシカマルたちのズレに何度、心の叫びをあげていたことか。