第37章 長所と短所
シカ「それにな、お前のそれは背中を任せるなんてもんじゃねぇ、丸投げっつーんだよ」
「トラップも飛び道具も全部、キリが弾いてたじゃねーか」と、言い捨てたシカマルに、イチカはキッと鋭い視線を向けた。
イチカ「なんですって!? あんたなんかキリの隣に並んで戦ったらついていけないだけじゃない!!」
ぐっと言葉を詰まらせたシカマルに、イチカは追撃と言わんばかりにキリとの絆を語る。
イチカ「あんたも見てたでしょう! 私とならキリは並んで戦う事が出来るのよ、まああんたのそのスピードじゃ到底無理でしょうけどね!」
「その重そうな動き、見てらんないわっ」と、鼻を鳴らしたイチカに、シカマルは顔を歪める。
イチカ「なによ!」
シカ「お前こそなんだよ」
イチカ「キリは絶対に後衛よ!」
シカ「キリは前衛にいた方が活きる」
バチバチと鳴り止まない火花がどんどんその規模を拡大させていく。
すると、突然。
バッと二人はこちらを振り向いた。
シカ.イチカ「キリ、どっちの方が組みやすい(んだ)!?」
キリ「!!!」
キリ「え? あの……」
イチカ「キリ! 遠慮しないで、思ったまま言ってくれていいんだからね!」
そう言われて、すぐ頭の中に浮かんだ人物。
キリ「…シ……」
シカ.イチカ「!!」