第37章 長所と短所
イチカ「少し離れてたところで、私達の息がピッタリなのは変わらないわね」
イチカ(あんたには出来ないでしょ?)
ふふん、とキリの腕を抱きながら挑発的な視線をシカマルに向ければ、シカマルのこめかみに青筋が浮き出した。
イチカ「言葉に出さなくたって、何をして欲しいか全部わかってくれる」
イチカ(あ・ん・た・に・は! 到底、出来ないでしょうね!!)
ぴくぴくと、シカマルのこめかみの筋が動きを見せる。
イチカ「私とキリ以上のペアなんて、絶対にあり得ないわ」
スッと立ち上がり、服についた砂を払ったシカマルはスタスタと不機嫌そうにこちらに歩み寄ってくる。
シカ「代われ」
イチカ「は?」
シカ「ペア代われっつってんだよ」
そんなシカマルに、珍しくイチカの方が気圧されてペアは一時交代となる。
シカクとイチカが初対面であることもあり、イチカは一旦見学。
シカクVSキリ.シカマルペアの戦いが始まる。
シカマルとキリのペアでは、シカマルがサポートにあたりキリが戦闘の軸を担当する。
そんな戦いをしばらく続けて、今度はイチカからシカマルに「ペアを代わりなさい」と申し出る。
そうしてキリが、イチカとシカマルと代わる代わるツーマンセルを組む事を繰り返している中で、二人の関係がどんどん険悪な雰囲気になっていく。
そうして、現在。
イチカとシカマルは激しい衝突を見せる。
イチカ「だからっ!! キリはね、とてつっっっもなく視野が広いんだから、後ろを任せた方がいいのよ!」
シカ「戦闘能力が群抜いてんのに、前に出さなくてどうすんだよ」
イチカ「じゃああんたみたいに、後ろからちまちませこせこしてるだけで、戦闘はキリ一人に任せっきりにしろってわけ?」
シカ「っ!! 俺はキリが負傷したり、不利な状況にならねぇようにしてんだよ。お前みたいに馬鹿みてぇに一人で突っ込んで、全部キリに処理してもらってる奴に言われたくねーっての」