第37章 長所と短所
キリ(やっぱりイチカみたいに元気があった方が……)
可愛いらしい。
ということは、イチカと真逆と言っていいほどのキリは。100歩譲ってもらっても元気で明るいとは言えない自分は、シカクにとって可愛くないのだろうか。
キリ(………)
自然と、キリの視線は地面へと下げられる。
そう、キリがひっそりと一人で小さな傷をつくっていた事には、誰も気付いてはいないらしい。
……………………
イチカの過激な挨拶が終わったあと。
先の戦闘でスイッチが入ったのか、イチカは「久しぶりにキリと修業がしたい」と言い始めた。
それに、付き合うと言ってくれたシカク、シカマルと共に4人での修業が始まった。
はじめはシカクVS三人で行っていたところ、「ツーマンセルがしたい」と、イチカの声が上がる。
その結果、シカク.シカマルVSキリ.イチカでペアが組まれた。
そこから、問題は起きたのだ。
修業中、やたらとシカマルを煽りまくるイチカ。最初はそれを流していたシカマルも、次第にイチカを煽り始めてしまった。
普段、特に修業中や任務中には、そう簡単に感情的になる事がないシカマルが、こんなにもわかりやすいイチカの挑発に乗るなんて、一体どうしたのだろうと珍しく思っていれば、二人の衝突はどんどんヒートアップする。
ドッとイチカの蹴りが入り、吹っ飛んでいったシカマルをシカクが受け止める。
シカ「ってぇ、くそっ」
シカク「シカマル、突っ込み過ぎだ」
イチカ「キリ!! さすがね! 最高だわ」
自慢気な表情で、イチカはキリを抱きしめる。