• テキストサイズ

ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第9章 空が綺麗だと感じた日





キリ「どこまでいくつもり」

教室からはもう大分離れているが、シカマルは足を止める気配がないのでそう聞けば、ぱっと掴まれていた手が離される。


シカ「あー悪りぃ」

眉間に皺をよせたシカマルは、何かを悩むような素振りを見せて、ふと空を見上げた。



キリ「……?」


意図がわからず、不可解そうにシカマルを見れば、その視線がキリへと戻る。



シカ「いや、今日は空が綺麗だなと思ってよ」

シカ(…あーやべ、急にこんな事言い出したらただの変な奴じゃねーか)


キリと話す前に一旦、落ち着こうと空を見上げれば、あまりにも快晴だったから。
つい、思ったことがそのまま言葉に出た後で、しまったと思った。

どう考えても、無理に手を引いてきた相手に、第一声で使う言葉ではない。



しかし、シカマルの予想とは異なって、キリは先ほどのシカマルと同じように上を見上げた。



キリ「あぁ…確かに」

シカマルに言われて、見上げた空はとても青くて、目が痛いほど眩しかった。



キリ「空なんて…久しぶりに見た」

こうして、空を見上げたのなんていつぶりだろうか。

樹の里の人たちを殺した……あの時から私に心穏やかな時間はなかった。


そのまましばらく空を見上げた後、キリはゆっくりと目を伏せた。



キリ「悪いけど、私はあの鹿について知ってることはない」

そう本題に入れば、シカマルはまた眉間に皺を寄せる。


キリ「……? それを話したいんじゃなかったの」


/ 1018ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp