• テキストサイズ

ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第36章 決別




もしもシカマルが止めに入っていなければ、イチカ本人が止めない限り、切っ先はキリに届いていただろう。

そう言えば、キリはまた視線を落とす。


キリ「……いい。その為に今、私はここに在るから」

シカ「どういう事だよ」


その問いには答えずに、キリはイチカが向かった先に体を向けて、友の名を呟いた。


キリ「イチカ…っ」

イチカの後を追おうと、足を進めたキリの腕を掴む。

キリの揺れた瞳に、シカマルの姿が映った。


シカ「キリ」

キリ「離して。イチカを追いかける」


振り払おうとキリは腕を振るが、シカマルは反対に、腕を掴む力を強める。

その事に眉をひそめたキリを引き寄せて、シカマルはキリとの距離を縮めた。


シカ「……そんな面で、どうする気だよ。あの女にゃ悪いが聞きたい事もある。ちょっとぐらい話させろよ」


それぐらいいいだろうと、真っ直ぐにキリを見つめれば、こちらが引かない事を察したのかキリは力無く腕を降ろした。


大人しくなったキリを見て、シカマルもその腕をそっと手離す。

そして、いつもよりも酷く小さく見えるキリを見て、一つ息をつく。


シカ「さっきの、どういう意味だよ」

「止めなくていい、その為にここに在る」と、キリはそう言った。


キリ「……」

長い沈黙が続くが、じっとキリの言葉を待っていると、ゆっくりと……ゆっくりとキリは口を開く。


キリ「ずっと考えてた。樹の里に、私には何が出来るのか」


/ 1018ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp