第36章 決別
げっとシカマルが眉を寄せれば、くるりと向きを変えて、イチカはじっとこちらを見つめる。
イチカ「あなたは? キリの知り合い?」
シカ「あー俺は……」
続く言葉が、喉でつっかえて出て来なかった。
シカ(キリの……何だ?)
奈良シカマルは、キリの一体何なのだろうか。
シカ(友達……か?)
いや、友人だと、果たしてキリは思っているのか。
では、友人以外なら何か。
シカ(同期……?)
いや、ただただ同期というのもそれは何か違う。
シカ(じゃあ同居人か……?)
確かにそうだが、それも……違う。
キリと自分の関係性は一体どれが正解なのか。シカマル本人もわからず、頭を捻る。
すると、さしてシカマルに興味がなかったのか、イチカは答えを待たずに話題を変えた。
イチカ「それにしても、意外かも……。わざわざ片付けなきゃならないぐらい部屋が散らかってるなんて」
「想像出来ない」と、もらしたイチカのその言葉には、シカマルも返答出来た。
シカ「あーあいつ今、俺の家に住んでるからな。しばらく自分の家には帰ってなかったからだろ」