第36章 決別
イチカ「だーかーら、怪しい者じゃないってば! ほら見なさいよ! キリもちゃんと知ってたでしょ!? 紹介状照らし合わすのにどんだけ時間かかってんのよこの無能男!!」
『むのっ…!? 照合は俺がやってるんじゃねえだろうが! このクソガキ!!』
ぎゃーぎゃーと再び喧騒が響き渡っていれば、そこに一人の忍が近付いてくる。
『……何やってんのあんた。すぐにその子を下ろしなさい』
イチカ.門番「!!」
『申し訳ありません。木ノ葉協定国、樹の里よりお越しのイチカ様。身元の確認に時間がかかってしまい、大変失礼致しました』
すっと膝をついて詫びを入れた忍に、イチカはキッと門番に目を向ける。
イチカ「ほら見なさい! あんたもこの人の態度を少しは見習ったらどう!?」
『ぐっ……』
後から来た忍にも無言の圧力かけられて、門番も非礼を詫びれば、イチカは鼻を一度鳴らして、キリのもとへやって来る。
イチカ「キリ……!! 久しぶりね」
キリ「っ!! イチカ…」
シカ(……キリの同期か?)
おそらく同郷で、さらに同じ年代ということは樹の里でキリとイチカは親しかったのではないだろうか。
その二人の間に流れる微妙な空気に、シカマルも居心地が悪くなる。
イチカ「あー、っと…その、ほんと久しぶりね!」
キリ「………えぇ」