• テキストサイズ

ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第35章 35話 重たい犠牲




『狙い…?なんの話だ』

『あら、この子……樹の里から来た子じゃない?」


キリ「!!」

キリ(敵、じゃない……?)


先ほどまで相手にしていた暗部たちとは異なる対応。

この二人は恐らく見回り、または任務帰りの暗部なのではないだろうか。



キリ「っ! お願いします、助けて下さい! フミさんが! ここから真っ直ぐ北に行ったところで多数の暗部と戦っています」


『は? なんだ、どういうことだ』


キリ「狙われた私を庇って逃がしてくれました。お願いします! フミさんを……!!」


私の事はどうしてくれてもいいから、どうか助けてくれと。懇願すれば、暗部達には互いに視線を合わせた。


『どうする』

『どうするってねぇ』


フミ……といえば、昔その名を聞いたことはあるがもうとっくに忍の世界を引退しているはずで、自分たちも共に戦ったことは無い。

そんな彼女がどうしてこんなところで暗部と戦うのか。


それに、色々と不穏な話がついて回るこの少女の罠という可能性も考えられる。

『 ひとまず、捕縛して木ノ葉に連行』

その言葉に、もう一人の暗部も頷いて、二人は再び戦闘体制に戻る。


キリ「っ!! 待って下さい! 今も一人で戦っているんです。どうか、どうかお願いします……っ!!」

もう、キリの言葉に返答が返ってくることはなく、暗部は捕縛用のワイヤーを取り出した。


キリ「っ!!!」

キリ(私の言葉じゃ届かない……っ)


たとえこの二人が敵でなくとも、ここではキリの発言は何一つ意味を成さない事を思い知る。



キリ(このままじゃフミさんが……っ)


キリ「誰か、誰か助けて……っ!!!」


自分の無力さに、ぐっと目をつぶってそう叫べば。


彼の、声がした。



シカ「っらぁぁ!!」

/ 1018ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp