• テキストサイズ

ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第35章 35話 重たい犠牲




敵から、先ほどまでとは比べものにならない速さで繰り出された拳が、ドッとキリの腹部にめり込んで、体は宙に浮いた。


『おっと…』

キリ「!」


打撃の勢いのまま飛んでいった体は、何かにぶつかって停止する。

その感触にキリが後ろを振り返れば、そこには見たことのある人物の姿があった。


キリ「あなたは……」


『やあ、久しぶりだね。お嬢ちゃん』


そこにいたのは、一人の老婆。

彼女は受け止めたキリの体を下へとおろした。


そして少しだけ微笑んだ彼女の姿。

キリの頭の中でそう遠い記憶ではない、ある日の出来事が思い返される。


以前、シカマルと共にキリを客人として自宅へ招き入れ、そこで毒を盛りキリの暗殺をはかった老婆、フミである。

彼女は、ゆっくりと口を開いた。


フミ「お嬢ちゃん、二度仕留める隙はあったろう。どうして殺らなかったんだい?」

キリ「!」


防戦に徹していたキリだが、実のところ二度ほど好機はあった。

確かに完全に油断している忍達に、やろうと思えば二人、仕留めることは出来ただろう。


キリ「………」

フミ「答えてくれないかい? お嬢ちゃん」


キリ「木ノ葉の、忍だからです」

フミ「……それは?」


/ 1018ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp