第7章 重ねた失態
そしてキリは黙々と手伝っていたらしい。掃除を終えて、チョウジが礼を言えば、キリは試合のことを謝罪した。
チョウ「んーなんかね、キリの里ではもっと激しいみたい。あれぐらいじゃ止めないみたいだよ。だから加減がわからなかった、ごめんって何度も謝ってたよ」
あんなに人との関わりを避けるキリが、そんなことをする所が想像出来ず、半信半疑でいるとチョウジはうーんと周囲を見回す。
チョウ「あっ、ヒナター!ごめん、ちょっといい?」
ヒナタにちょいちょいと手を向ければ、ヒナタは不思議そうな顔をしながらこちらにやって来る。
ヒナタ「ど、どうしたの…?」
突然の呼び出しに、ヒナタは所在なさげにもじもじしていた。
チョウ「前に僕らがキリと試合した時さ。あとから、キリに何か言われなかった?」
ヒナタ「あっ、言われたよ。ごめんって謝ってくれた…キリちゃんは悪くなかったのに……もしかして、チョウジくんも?」
チョウ「うん、僕もだよ」
チョウジは「ね、本当だったでしょ?」とシカマルに視線を向けてくる。
ヒナタ「きっと…そんなに悪い人じゃないんだと思う」
チョウ「あっ、ヒナタもそう思う?僕もそう思ってたんだ」
それを聞いて、シカマルはまた頭を抱える。
チョウ「どうしたの?」
シカ「あー俺、試合の後もキリのこと責めちまった」
どうしてここまでするのかと、周囲と一緒になってキリのことを責めてしまった。
自里のルールと違い、戸惑っていたキリに。
多勢無勢の非難の嵐。あの時、シカマルはそれに加担していたのだ。
度重ねていた自分の失態に、頭が痛くなってきた。