第7章 重ねた失態
いの「あれ?シカマルじゃない。あんたがこんなに早く来るなんて珍しいわね」
シカ「おぅ、まぁな」
もしかしたら、キリが早くアカデミーに来る。という可能性を踏まえて、いつもより早く家を出たのだが、どうやら無駄に終わったようだ。
いくら待てどもキリの姿はない。
チョウ「おはよーシカマル、早いね」
シカ「あーちょっとな」
チョウ「キリに何か話したい事でもあるの?」
シカ「なっ」
なんでわかったんだと言う前に、チョウジは笑う。
チョウ「見てたらわかるよ。最近ずっとキリのこと気にしてるし、昨日もキリ追いかけてったんでしょ?」
何かあった?と問いかけてくる親友に、シカマルはぽりぽりと頭をかいた。
シカ「俺の勘違いでよ…助けてくれたあいつのこと責めちまって、謝りてー」
チョウ「助けてくれた?」
そう首をかしげたチョウジに、あの日のことを話した。
チョウ「なるほどね」
うんうんと頷いて、チョウジは笑う。
チョウ「シカマルとキリって似てるね。なんか不器用っていうかなんていうか」
シカ「はぁ?」
キリと自分が似ている?
キリのことをよく知っているわけではないが、あいつと似ているところなどあるのだろうか。
チョウ「んーあのさ、僕とキリが試合した事あったでしょ?あの後のキリもシカマルみたいな感じだったよ」
いまいち理解出来なかったのが、伝わったのだろう。チョウジは詳細を話してくれた。
チョウ「多分僕に謝ろうとしてたんだと思うんだけどね。キリがよく近くにいたんだよ」
チョウジは何か用があるのだろうかと思ったらしい。しかしキリが全然話しかけて来ないため、勘違いかと思い直したようだ。
チョウ「でもね。ほら、僕が掃除当番の週。シカマルずっと手伝ってくれてたけど、1日用事があって無理な日があったでしょ?」
確かにしばらくの間、腕を固定しなくてはいけなかったチョウジが不便だろうと掃除に付き合っていたが、どうしても家の用で手伝えなかった日があった。
チョウ「あの日ね、実はキリが一緒にやってくれたんだ」