• テキストサイズ

ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第34章 さよなら またね





シカ「…………」

久しぶりのキリとの再会を喜ぶ子鹿は、らんらんと目を輝かせている。体を起こすと、その前脚をキリの胸元へとかける。



キリ(!! ………こんなに、大きくなったの)

立ち上がれば、キリの身長とさほど変わらないこの子は、もしかしたらもう子鹿というには大き過ぎるのかも知れない。


いつの間に、こんなに成長していたのだろう。鹿の成長はこれほど早いのか。

あまりにも無邪気に懐いてくれるから、まだまだ幼い気がしていたのに。人間とは生きる速度が異なるのだ。

両手でわしゃわしゃと頭をなでれば、子鹿は嬉しそうにキリを受け入れる。


とんっと前脚をおろした子鹿を見つめていると、後ろから謝罪の声が響いた。

シカ「っ……わりぃ」


キリと、鹿のやりとりを見て、シカマルは胸を詰まらせる。

キリが病院にいる間に、返しにいった方がいいのではとも思った。


これまで、キリと共に鹿の治療を行なっていたシカマル。

献身的なキリの治療と、キリの鹿に向ける愛情は、鹿にも充分に伝わっていた。


鹿もシカマルやシカク、ヨシノに懐いてはいるが。キリに対しては絶対的な信頼を向け、他とは全然違う愛情表現も見せる。

もしかしたら、幼い鹿はキリを親のようにも思って、慕っていたのかも知れない。


/ 1018ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp