第33章 移り変わる世代
『っく、あんっのたぬきじじいめ! アタシをこんなとこで働かせるなんて……人の足元見やがって…!!』
「あそこで丁さえ出ていれば!」と、頭を抱えるこの女性は、どうやらギャンブルで莫大な借金をつくったらしい。
そして、一文無しになっていたところ、たまたま五影会議で里を出ていた三代目火影と出会い、借金の肩代わりをしてもらったそうだ。
そして、その借金をカタにここで働かされているらしいが、それが酷く不服なようで、女性はギリリと爪を噛んでいる。
『ったく冗談じゃない』
「隙を見てこんなところ早く出てやる」と、眉間に皺を寄せている女性に、キリは問いかける。
キリ「………木ノ葉は、嫌いですか」
『!』
その言葉に、女性は弾かれたように顔を上げた。
『そういうわけじゃ……。そういうわけじゃない……ただ、アタシにここに長く滞在するつもりはないよ』
彼女が、木ノ葉の里に足を踏み入れたのは、もういつぶりだろうか。
意図せずここに来てしまったが、ここにいるには、まだ癒えない傷が痛んで仕方がない。
キリ「……そうですか」
暗く陰った女性の表情を見て、キリはそれ以上の言葉を続ける事をやめた。
キリの特殊な体にすら、すぐに対応し、的確な処置を施した。
これほど実力がある医療忍者は、早々お目にかかれないだろう。
キリ「でも……少しの間でも貴女のような優秀な方がここにいるなら、きっとたくさんの人が救われますね」
『っ!!』
すると、彼女は少し困ったような笑みを向ける。