第33章 移り変わる世代
第33話 移り変わる世代
音忍との依頼後、重傷を負ったキリであったが、検査と治療を施してもらい現在、二日目。
すっかりと治ってしまった自身の体を見て、キリは不思議そうに体の感覚を確かめる。
キリ「………すごい」
『ふん、当たり前だろう。誰が診てやってると思ってんだ』
そう言って鼻を鳴らしたのは、ここ数日のキリの治療を担当してくれた、美人だが気の強そうな医療忍者である。
キリ「まさかここまで……本当に素晴らしいです」
大剣が深く刺さったはずの肩も、小さな傷痕一つ残っていない。
『アタシにかかればこんなもんだよ。でも、あんたずいぶんと特殊な体をしてるね』
医療に長けた彼女だが、病院へと担ぎ込まれてきたキリの治療にあたれば、そこでは何度か首をひねることになった。
調合された薬の効果が酷く薄い。
何度調合を変えたところで、それは変わらない。しかし、キリの体は、チャクラによる治療を施せば効果絶大だった。
回復力というのか再生力というのか。体の中の動きにまるで無駄がない。
医療忍術で神経や筋肉組織の回復にチャクラをあてがえば、キリの体内はその働きを数倍にも吸収し、まるでこちらに合わせているかのような反応を見せる。
『これは、人工的に造られたもんだろう。ったく今の木ノ葉はそんな事してんのか』
呆れたものだと眉をひそめた女性に、キリは小さく首を振った。
キリ「いえ……私は樹の里から来ました。訳あって木ノ葉へ来て、三代目のご厚意もあり、ここに住まわせてもらっています」
三代目の名前が出た瞬間、女性は先ほどとは一変し、クワッと険しい表情に変わった。