第32章 背中の重み
アスマ「あのシカマルが、ねぇ。カカシ、お前知ってたか?」
カカシ「いやー男だねぇ、シカマル。実は結構前からね」
シカク「さーて、帰って母ちゃんにシカマルの勇姿を教えてやんなきゃな。カカシ、お前いつから知ってたんだ?」
カカシ「それが、前にキリが入院してた時に病院でシカマルが……」
シカ「だあーー!! そこ、うるっせえよ! 黙って歩け!!!」
上忍たちの集中放火に真っ赤に頬を染めたシカマルが唸る。
ナルト「?? 一体なんだってばよ?」
頭に疑問符を浮かべているナルトに、カカシとアスマが近付いていく。
カカシ「いーから、お前は荷物持ってもらえ」
アスマ「おう、お前もよく頑張ったな。ほら荷物貸せ」
首を傾げながらもナルトは5人分の荷物を渡す。
その内の2つはシカクとカカシのもとへ還り、残った下忍3人分の荷物をアスマが担ってくれた。
アスマ「ナルトは素直に渡したな、シカマルお前はどうだ? 代わってやろうか?」
「最後のチャンスだ」と、口角を上げて問うてくるアスマに、シカマルはぎゅっと眉間に皺を寄せた。
シカ「……俺はいいっつってんだろ」
アスマ「くっ、くっく……いやーこりゃ近々飲みに行こうぜカカシ」
可笑しそうに笑って身体を震わせるアスマに、賛同の声が上がる。
カカシ「あーいいね。酒が美味そうだ」
シカク「楽しそうじゃねーか、俺も混ぜろ」
願ってもない、一番身近でたんまりと持っている愉快な情報を提供してくれるだろう人からの申し出に、アスマはにやりと笑みを浮かべた。
アスマ「ええ是非、色々聞かせて下さいよ。シカクさん」
シカ(っ、頼むからもう黙ってくれ……)
先ほどからずっと刺さっている好奇の視線と言葉に、火照る体が暑くてたまらなかった。