第32章 背中の重み
そんな二人の姿を見て、先に向こう側へと渡っていた木ノ葉の碧き猛獣が動いた。
ガイ「カカシィッ!!」
カカシ「ガイ!」
ナルトを抱えて、ガイに手を伸ばすカカシ。
そんなカカシに応えるように、ガイも熱く手を伸ばした。
そして、ばっとナイスガイに差し出された手は、カカシに届かず終わる。
カカシ.ガイ「……え?」
ナルト「うわぁぁぁあああ」
スッとそのまま視界から消えたカカシ達に、ガイは慌てて橋の下を覗き込むが、すでに姿は見えない。
ガイ「う、うそだ……嘘だと言ってくれ」
ふるふると体を震わせるガイが、奈落の底へと叫ぶ。
ガイ「ナ、ナルトォォォ!! カカシィィィィィィイ!!!!」
おうおうと、大量の涙がガイの頬を伝って、2人が落ちていった崖の底へとこぼれていく。
カカシ「………うるさいよ、ガイ。早く上げてくれない?」
ガイ「っ!! その声は! 我が青春のライバルカカシ!!」
バッと、ガイはさらに奥を覗き込む。
すると、橋の裏面に刺さったクナイと、それに繋がるワイヤーの先にぶら下がっているカカシとナルトの姿があった。
ガイ「カ、カカシィイ! お前って男はなんっってナウいんだぁぁあ!!」
カカシ「ちょっ、ガイ暴れないで、抜ける。クナイ抜けるから!! さすがに死ぬから!」
ナルト「ゲキマユ先生やめてくれってばよ!! 落ちるぅぅ!?」