第32章 背中の重み
シカク(間に合うか)
太陽の位置から時間を観測したシカクは、チラリと後方に目を向ける。
もともと、四人の音忍をかつぐ上忍の代わりに、その荷物をシカマルとナルトが請け負っていた。
そして、途中からキリを背負ったシカマル。
五人全員の荷物を引き受けたナルトの歩みは、流石に低下したが、なんとか時間内に目的地に到着が出来そうだ。
シカク(もともと気力だけで走ってるようなもんだ。みんな良くやってくれた)
ナルト「っ、あああ! 橋! はぁっ、やっと見えたってばよ!!」
遠くの方にかすかに橋が見えて、ナルトは目を輝かせた。
そんなナルトとは対照的に、カカシは眉をひそめる。
カカシ「っ! …まずいな」
ナルト「えっ!? な、なんだってばよ!?」
カカシ「向こうもこっちに気が付いた。橋が上がるぞ!」
こちらの姿を確認し、慌ただしく動き始めた群衆に、シカクは舌打ちをする。
シカク「シカマル! ナルト! 急げ!」
シカ「っくそ!」
キリを抱える腕に力を入れて、シカマルは最後の力を振り絞って地面を蹴り上げた。
四人がスピードを上げて駆けるが、橋の真ん中が開き、中央から徐々に橋が上がっていく。
ナルト「間に合わねぇってばよ! はぁっ、くっそぉぉお! せっかくここまで来たってのに…!」