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ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第31章 耐える戦い




…………………………

ーーキリ救出後の親子ーー


ごんっと突然、シカマルの頭に衝撃が走る。

シカ「いっっ、てぇーー」


シカマルの頭にげんこつをお見舞いしたシカクは、シカマルに鋭い視線を向けた。


シカク「シカマル、お前さっきはどういうつもりだ。急に一人で走って行きやがって、班行動の意味わかってんのか」

シカ「!」


シカク「今回は良かったが、もし途中で敵と遭遇して、その時にお前一人だったらどうなる?」

シカ「っ……」


確かに、班を率いるシカクやカカシの指示など聞く間もなく、音のアジトを飛び出したシカマルの行動は、隊員として不適切なものだった。

シカクの言うように、キリのもとへ辿り着く前に、音忍に囲まれでもしたらそこで終わりだっただろう。


シカク「勝手な行動は、結果として死を招く場合だってある。それは身勝手な行動をしたお前じゃなくて、他の仲間かも知れねぇ。どんな場合でも、自分が隊の一員であることを忘れるな」


〈死〉という言葉が、シカマルの心に重くのしかかった。

そんなシカマルの姿を見て、シカクは一つ息をつく。


シカク「さっきのお前の行動は、隊長として褒められたもんじゃねぇ……だが今からは、お前の父親としての言葉だ」

そう言われて、ぐしゃりとシカクから頭をなでられる。


シカク「良くやった、シカマル」

シカ「!」


シカク「好きな女を守れねー奴は男じゃねぇ。さすが俺の息子だ」

驚くシカマルに、にっと笑ってからシカクはシカマルの頭から手を離した。


シカク「それにな、勝手な行動ってのはいただけねーが、指示を待ってちゃ手遅れな場合もある。シカマル、頭の固い忍にはなるな」

「ま、そのあたりは経験だ」と、笑うシカクにシカマルも口角を上げる。



シカ「おう」

シカクの言葉が、強く、強く胸に響いた。


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