第32章 背中の重み
第33話 背中の重み
キリたちが走り始めてから、約十時間が経過した。
もちろんの如く、間に休憩は一切ない。
先頭にシカク、キリ、続いてナルト、その後にシカマル。
最後尾にカカシと並んで駆けているが、その隊列に乱れが出始めた。
カカシ(……シカマルが遅れてきたな)
カカシは最後方から様子を伺っていたが、シカマルの足がかなり重くなってきたのがわかる。
そして、シカマルほどではないが、ナルトにも疲労が見えていた。
それも仕方がない。今はとてもじゃないが、下忍が走るには速すぎるぐらいのスピードを出している。
カカシ(それに……)
先ほどまでの音忍との戦いで、二人はもてる力以上に善戦していた。
繰り出していた術の量からしても、大量のチャクラを消費しているだろう。
カカシ(そもそも体力だけでいえば、ナルトは下忍の中でもトップクラスだが……)
はじめの方こそ騒いでいたナルトも、今では喋る体力を温存し、黙々と足を動かしている。
カカシ(ナルトでこれだ。もともと体力不足な面があるシカマルには、かなりキツいだろうな)