第31章 耐える戦い
シカマルの腕から突然、支えていたキリの体が消える。
シカ「!」
キリ「ふーーー……」
大きく息をついて、キリはぱんぱんと服についた砂を払う。
キリ「行きましょう」
シカ「キリ! お前そんな体で無理に決まってんだろ」
キリ「早く。こうしてる間にも時間がなくなってしまう」
シカ「っ、でもよ」
キリから力強い視線が向けられて、シカマルは口をつぐんだ。
シカク「……行くぞ。キリ、限界になったら言ってこい」
「背負ってやる」と、すでに四人の音忍を抱えて定員オーバーなシカクにそう告げられる。
しかし、その背のどこに背負う場所があるのかと、キリは困った様に頷く。
キリ「はい」
ナルト「っしゃあ! キリ!! 疲れたら俺に言ってこいっ! 俺が木の葉まで背負ってやるってばよ!!」
ぐっとガッツポーズをして気合いを入れるナルトにも頷いて、キリは顔をしかめたままのシカマルに視線を向ける。
シカ「…………」
「無茶はするな」そんな言葉を、もうすでに限界が近いだろうキリに伝えてどうなるというのか。
そんな風に、シカマルが何も言えずにいると、キリからそっと背中を押される。
キリ「……大丈夫、行きましょう」
カカシ「キリだけじゃない。ナルト、シカマル、お前たち自分の心配もした方がいい」
「飛ばすぞ」というカカシの声を合図に、キリ達は地面を蹴った。
ータイムリミットまであと20時間ー