第31章 耐える戦い
ナルト「……これ、キリとシカマルがやったのか?」
周りに転がる四人の音忍を見て、ナルトがぽかんと口を開けている。
シカ「いや、ほとんどキリだ」
ナルト(……さっきまでの俺より全然すげーってばよ…)
ナルト「キリって……ほんとに強ーんだな」
無事を喜びつつも、やや複雑そうなナルトをよそに、シカクはキリの体をふわりと抱き寄せる。
シカク「キリ……よく、よく耐えてくれた」
そう言って、ゆっくりと体を離したシカクの顔が少しつらそうで、キリの胸が小さく痛んだ。
キリ「はい」
シカク「遅くなって悪かったな」
そういえば、少しだけキリは目を細めた。
キリ「さっき、同じことを言われました」
シカク「そうか」
シカク(シカマルが……)
シカクはチラリとシカマルに視線を向けてから、にっと笑ってキリの頭をなでる。
カカシ「シカクさん」
穏やかな空気が流れかけたところで、カカシの声がそれを遮断する。
シカク「ああ、そうだな」
かけられた声に、シカクはなでていた手を離し、もう一度ぼろぼろになっているキリの姿を見て、苦渋の表情を浮かべた。
キリ「どうかしましたか」