第31章 耐える戦い
どうやら同じことを考えていたらしいシカクに、カカシは同意の意を示す。
敵地での戦闘。
更にこちらの三倍以上いた音忍の数に、これは苦戦を強いられるかと思っていたが、それに少しも臆する事なく、果敢に挑むナルトとシカマル。
そんな嬉しい誤算と見違える成長に、カカシは目を細めた。
ナルト「っ、ぐぁっ」
向こうで音忍からの攻撃によって、吹っ飛んでいったナルトが、すぐさま敵に囲まれる。
シカ「ナルト!!」
シカマルが起爆札付きのクナイを投げれば、回避のために音忍は煩わしそうに顔を歪めて散っていく。
『ちぃっ!!』
カカシ「ま、ナルト。お前はまだまだ詰めが甘いね」
そう言って、膝をつくナルトの前に現れたカカシは、音忍にクナイを構えた。
シカク「シカマル、今日はずいぶんといい動きじゃねーか」
その問いに、シカマルは額に流れる汗をぬぐいながら答える。
シカ「……キリが来た時に、また何も出来ませんでしたじゃ格好つかねーだろうが」
シカク「くっくっく、ちげーねぇな」
くつくつと笑うシカクの向こうから、音忍の中心となっていた人物からギリッと歯軋りの音が聞こえる。
『くっ…、木ノ葉如きが…』