第31章 耐える戦い
シカマルは、地図の道のりを覚え終えて、案内人を連れ、来た道を戻っていくキリの背中を見つめる。
シカク「シカマル、行くぞ」
ぐっと奥歯を噛んで、シカマルも身を翻し歩き始める。
シカク「気持ちはわかるが、集中しろよ」
シカ「言われなくてもわーってるよ」
今、シカマルがすべきことは、自分のもてる限りの力で、この任務を無事に終える事だ。
* * *
それからしばらく山脈を進み、敵のアジトへと到着したシカマル達の前に、音隠れの忍が転がっていた。
ナルト「ぉぉおらあああああ!!!」
ナルトの拳が、音忍の顔面へと直撃する。
そのまま壁に叩きつけられた音忍は、ぱたりと意識を失った。
ナルト「っしゃあ!!」
シカ「影真似の術!!」
ナルトにクナイを向けていた二人の音忍が、ぴたりと動きを止める。
ナルト「っ!」
そして、現れたカカシの攻撃によって、影をとられていた音忍二人も意識を手放した。
カカシ「ナイスだ、シカマル」
シカマルのファインプレーを讃えたあと、カカシはナルトに鋭い声をかける。
カカシ「ナルト、気を抜くな」
ナルト「うっ……さ、さんきゅーシカマル」
シカ「おう」
そうにやりと笑って、シカマルは次の敵へと対峙する。
カカシ(しかし、これほどとはね……)
既に戦闘不能になっている音忍は8名。
その内の3名はシカマルとナルトの功績だ。
シカク「まったく、こいつらには驚かされるな」
どさっと、シカクの前にいた忍が横たわる。