第30章 緊急任務
カカシ(はぁ、この調子じゃまだまだキリに追いつくのは先の話かな。それにしても、本当に…)
今のキリは、表情や声色もただ無機質なだけじゃない。わかり難いかもしれないが、その中にも少し変化がある。
カカシ(おそらく、シカマルがキリの心を少しずつ少しずつ……)
そこまで考えて、カカシはふと視界にいたシカクへと視線をうつす。
先ほどのシカクの行動から感じられるキリに対する深い愛情と、任務中のシカクとキリの間にあった信頼感。
カカシ(……心を開いたのは、シカマル……だよね?)
仮にそうであっても、そうでなくても、キリにとってシカクが大きな存在であることには変わりはないだろう。
それどころか、キリの心を開いたのはシカクである説も拭えない。
カカシ(いやー……。シカマル頑張ってね、ほんと)
大きすぎる相手に、シカマルの道が困難過ぎてもはや不憫になってきた。
せめて、何かあった時には力を貸してあげようと、心に思うカカシであった。