第30章 緊急任務
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ーーその後の三人ーー
一部始終を盗み見ていた三人は、それぞれの思いを馳せる。
カカシ「いやー、ちょっと見ない内にずいぶんと……」
ナルト「キリがあんな喋ってるとこ初めて見たってばよ!?」
出会ったばかりのあの時に比べて、キリのこの変化。
カカシが抱擁の一つでもしてやりたいと感動していると、スッとシカクが目の前に現れた。
シカク「カカシ、うちのキリに何する気だ?」
カカシ「いや、冗談です。すみません」
カカシ(笑ってない。目が笑ってない)
にこりと諭す様な素振りだが、その目は少しも笑っていない。
シカクはキリとシカマルに視線を向ける。
シカク「あいつら中々いいコンビだろ?」
カカシ「確かにそうですね。ナルト、お前も負けてらんないね」
好敵手、相棒、そう呼べる相手と巡り合うことは、大きな成長に繋がる。その存在がいるといないとでは、忍として将来に差ができるだろう。
ナルト「なあってば! キリってばあんな喋んの!?」
以前、病院でシカマルとキリの雰囲気をぶち壊して割り込んだナルト。
二の舞にならぬよう、カカシから二人のもとへ行くことを阻止されていたが、ナルトは目の前の出来事に信じられないと目を白黒させている。