第30章 緊急任務
カカシ「またあの時みたいに、ただ突っ立って守ってくれるのを待ってるつもりならそれでもいいけど。後ろから、きゃんきゃん吠えるだけなら安全だしね」
ナルト「っ! 俺だって! 俺だってあれからずっと、すっげー特訓したんだってばよ!!」
「もう失敗はしない」と、牙を向いてくるナルトに、カカシは冷ややかな視線を向ける。
カカシ「悔しいなら、この任務で口だけじゃない事を証明して見せろ。合同班でのチーム戦だ、くれぐれも一人で突っ走るな」
ナルト「っ、んな事は言われなくてもわかってるってばよ!!」
過去の失態を思い浮かべて、ナルトはぎゅっと奥歯を噛み締めた。
カカシ(ふぅ、ここまで釘させばまあ大丈夫でしょ)
少々キツイかもしれないが、先ほどまでのおちゃらけた雰囲気とは変わって、しっかりと前を見据えたナルトを見て、カカシはやれやれと一つ息をついた。
カカシ(あとは……)
ちらりと後方を見れば、先ほどまでとは顔つきが変わっている者がもう一名。
シカ(くそっナルトだけじゃねぇ、俺も……)
シカマルはギリッと強くこぶしを握り締める。
お遊び気分、とまではいかないがシカマルもナルト同様、まだまだこの任務に対して気持ちが固まっていなかった。