• テキストサイズ

ささめごと -ながい夢- 【NARUTO】

第28章 悪意の善意




* * *


先ほどの場所から、ものの数分で老婆の家には到着した。



キリ、シカ「「お邪魔します」」

フミ「さあさあ、上がっておいで」


平屋の古い造りであるが、柱が太く、どこか厳かな雰囲気もある家だった。

中に入り、息を吸えば、ふわりと畳のにおいが広がる。



客間らしき部屋に通されると、客用の座布団を出され、キリとシカマルはそこへ腰をおろす。


フミ「古い家で申し訳ないね」

「広いばかりで、お化けでも出そうだろう?」と軽口を言いながら、フミはキリから受け取った荷物の荷ほどきを始めた。



キリ「いえ……奈良のお家とよく似ています。とても、立派な家です」

フミ「っ……! ありがとうね、お嬢ちゃん……」


フミは荷ほどきをしていた手をとめて、何かを考え込むような素振りを見せたが、ふるふると首を振って、一つの茶葉が入った缶を手に取り、立ち上がった。


フミ「お茶を用意してくるから、少し待っていてくれるかい。ゆっくりしておいでね」


そう言って、奥へ入っていったフミを二人は見送る。



キリと二人きりになって、シカマルは大きく息をついた。


一度腰をおろすと、その途端に身体の力が抜けたことがわかった。

そして急激に襲ってくる疲労感と、鉛のように重くなる身体。


どうやら自分で思っていた以上に無理をしていたらしい。それにキリは、どこまで気がついていたのだろうか。


ふと視線を感じて、隣を見るとキリの青い瞳にシカマルがうつる。



キリ「……中心部に戻ったら、まずシカクさんに報告する。それから後は、11班で処理するから。あなたは家に戻って休んで」


それから少し間があって、キリの視線が僅かに伏せた。

キリ「……巻き込んで、ごめんなさい」


少し弱くなったキリの声に、シカマルはため息をつく。

シカ「あのな、元はと言えば俺が勝手について来ただけだろーが。お前は何も悪くねーよ、謝んな」

/ 1018ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp