第27章 草刈り機
影を捕われ、ピタリと動きを止めた男のフードをとる。
シカ「見たことねー顔だな。なんの目的で俺たちを攻撃してきた」
シカマルの尋問が始まった頃、キリは左方向から向かってくる三つの気配に気付く。
キリ(別の方向からも……!)
しかもこちらは先ほどの二人とは違い、距離はそう遠くはなく、猛スピードでこちらへと近付いて来ている。
キリ(……さっきの二人はフェイクかもしれない)
気付くのに随分と時間がかかってしまった。そしてこうしている間にも三人の距離はどんどん近付いている。
キリ「向こうから三人、近付いてきてる」
『っ!!』
シカ「まじかよ。ちっ、めんどくせーな」
どっ、とキリが男の首に手刀を入れると、すぐに男は意識を失った。
シカ「どうする⁉ その方向じゃ木ノ葉には戻れねぇ」
先ほどキリが指をさした方角、そして最初の二人がこちらへ向かってくる方向、両者との衝突を避けるのなら、木ノ葉の中心部からは遠く離れることになる。
キリ「……追っ手が早い。あなたと私で三人相手にしてる間に、あとの二人も合流されるのは得策じゃない」
シカ「くそっ、迂回しながら木ノ葉に戻るしかねーってことか」
キリ「悩んでる時間もない。一旦、退きましょう」
それに頷くと、二人は同時に地面を蹴った。