第27章 草刈り機
シカ「あぶねぇっ」
即座にキリを連れてその場を離れると、後方で爆発が起こった。
キリ「っ!」
爆風でキリが体制を崩したのが見えて、シカマルはキリに覆い被さった。
ゴオッと熱風が肌を荒くなでて通り過ぎる。
シカ「っ、あっちーなっ、急になんなんだよ」
キリ「……どいて」
シカ「!! わりぃ」
シカマルの下に収まっていたキリを離してやると、キリはすぐに立ち上がってポンポンと服についた砂を払う。
キリ「……自分で避けれた」
シカ(あー、そりゃそうだよな)
シカマルが手を出さずとも、キリならば避けられるだろう。
むしろ一人だったら、もっとスマートに避けて、こんな風に一緒になって爆風に飛ばされることもなかったのかもしれない。
キリ「……………でも、どうも」
余計な事をしたなと、思っていれば、ぽつりと不器用な礼の言葉が聞こえて来た。
そんなキリに少し口角が上がりつつ、シカマルは目の前に現れた男と対峙する。
シカ「さて……と、どこの誰だか知らねーが」
目の前には、起爆札が飛んできた方向から現れた、フードを目深にかぶった男。
後ろには、あたり一面に散らばった先ほど集めたはずの雑草たち。
シカ「ひとつ残らず、集めさせっからな。覚えとけよ」
ダッと男に向かって駆け出したキリの少し後方についてシカマルも走る。