第27章 草刈り機
シカ「……………広ーな……」
任務先へと到着したシカマルは、そこに広がる荒れ果てた光景に、げんなりと眉を寄せた。
キリ「あなたは座ってていい」
ぶちぶちと、すでに草を抜き始めているキリを見て、シカマルもひとつ雑草を引っこ抜いた。
シカ「それじゃ来た意味ねーだろうが」
小一時間、もくもくと草を抜き続けて、シカマルの横には積み上がった雑草の山がある。
シカ(あー腰がいてぇ)
曲げたままの腰が痛い。
そして、何が一番つらいかと言うと、まだ半分も作業が終わっていない事だ。
シカ(これ全部一人でやらせるとか惨くねーか)
自分なら、途中で投げ出すだろう。
シカ(……まぁ、キリなら文句一つ言わねーでやるんだろうけどよ)
小さな憎しみを込めて、シカマルは近くにある草を引っこ抜く。
キリ「……意外」
そんな中で突然、草を抜く以外の音が後方からぽつりと聞こえて来た。
シカ「は?」
キリ「こういう任務……あなたがこんなに真面目にやると思わなかった」
シカ「あー。こう見えて俺は真面目な男なんだよ」
シカ(……やらねーと、お前の負担が増えんだろうが)